チャプター 281

ヘンリーの病室から、命がけで逃げ出した。自分のデスクにたどり着くまで立ち止まらず、椅子に崩れ落ちる。心臓が乱暴に脈打ち、息を整えようと必死だった。

神様、指先が彼のなめらかな胸に触れ、手のひらの下に硬い筋肉を感じた瞬間、記憶が津波のように押し寄せてきた――六年の結婚生活、数え切れないほどの親密な夜。

肌の感触が、私の中の何か原始的なものを目覚めさせた。まったく、心の準備などできていなかったのに。

あの頃の私は、もっと大胆で、もっと厚かましかった。白く長い脚を彼の腰に絡め、腹筋を一本一本確かめるように指でなぞりながら、「身体がいい男はベッドでも出来がいいのよ」なんて言っていたのだ。

なん...

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